本日はスポーツ障害や交通事故でみられる後十字靭帯損傷について解説いたします。

目次
後十字靭帯とは

後十字靭帯は膝関節の深部に位置する靭帯であり、膝の後方安定性を保つ重要な組織です。
膝の脛骨が大腿骨に対して後方へずれるのを防ぐ役割を担います。
外傷やスポーツによる急激な力で損傷を受けることが多く、放置すると膝の不安定感や将来的な関節症につながることがあります。
後十字靭帯の役割
後十字靭帯は膝関節の後方への過度な移動を制限して、歩行やランニング時の安定性を確保します。
他の靭帯や軟骨と連携して膝の回旋や直線的な負荷を調整するため、大変重要な靱帯です。
損傷があると荷重時の膝の感覚が変わり、運動機能の低下や疼痛が生じやすくなります。
後十字靭帯損傷の症状
受傷直後は膝の痛みと腫れ、膝が抜けるような違和感や不安定感を自覚することが多いです。
歩行時や階段昇降時に膝の不安定感を感じます。
慢性化すると膝関節の周囲筋の萎縮や慢性的な痛み、将来的な変形性膝関節症のリスク増加が見られます。
また、サグサインといい、すねの骨が太ももの骨に対して後方に落ち込む状態が見られます。

損傷時の応急処置
損傷が疑われる場合はまず安静にして患部を冷やす(RICE処置)ことが重要です。
腫脹が強い場合は圧迫と挙上で出血や浮腫を抑え、無理に負荷をかけないようにしてください。
速やかに整形外科を受診して画像診断と専門的評価を受けることが推奨されます。
後十字靭帯損傷の予後
軽度の部分断裂であれば保存療法で機能回復しますが、重度の断裂や複合損傷では手術が検討されます。
治療法やリハビリの適切さで予後は大きく変わり、早期介入が長期的な膝機能保持につながります。
個人の年齢や活動レベル、同時に損傷している組織の有無が回復の見通しに影響します。
後十字靭帯損傷の治療法
治療は損傷の程度と患者の年齢や活動度に応じて保存療法から手術療法まで幅広く選択されます。
初期は疼痛と腫脹の管理を行い、その後筋力強化や安定化を目的としたリハビリが行われます。
保存療法で改善が乏しい場合や重度の不安定性がある場合は手術が検討されます。
整形外科
整形外科では診断に画像検査を用いて損傷の範囲を評価し、適切な治療方針を決定します。
手術が必要な場合は関節鏡下で靭帯再建などを行い、術後はリハビリで膝機能を回復させます。
| 治療項目 | 内容 | 目安期間 |
|---|---|---|
| 保存療法 | 装具使用、理学療法、筋力訓練 | 数週間〜数ヶ月 |
| 手術療法 | 靭帯再建術、関節鏡下修復 | 術後6ヶ月〜12ヶ月で段階的回復 |
| リハビリ | 可動域訓練、筋力強化、バランストレーニング | 継続的に実施 |
整骨院
整骨院では疼痛緩和や周辺筋のバランスを整えるための徒手療法や物理療法が行われます。
急性期の管理においては腫脹や疼痛の軽減を図り、その後の段階で筋力や柔軟性の回復をサポートする役割を担います。
・筋膜リリースやマッサージで筋緊張を軽減する。
・関節可動域を維持するための徒手的なアプローチを行う。
・日常生活指導やセルフケアの助言を行い、再発予防を支援する。
リハビリ方法
リハビリは患部の安静期間を経て段階的に筋力と可動域を回復させることが基本です。
初期はアイソメトリック運動(関節を動かさない運動)で筋萎縮を防ぎます。
中期以降はバランス訓練や太ももの筋肉の抵抗運動で機能を高めます。
スポーツ復帰を目指す場合は競技特異的な動作訓練を取り入れ、再発しない体の動かし方を学びます。
まとめ
後十字靭帯は膝の後方安定性に不可欠な組織であり、損傷時は早期の適切な対応が長期的な機能維持に重要です。
症状や活動レベルに応じて保存療法と手術療法を使い分け、継続的なリハビリで回復を図ることが望まれます。
不安がある場合は専門医や治療機関に早めに相談し、個別の治療計画を立てることをお勧めします。
花笑整骨院では
後縦靭帯損傷は多くは半月板や側副靱帯などの高エネルギー損傷が多いです。
よって、スポーツや交通事故で損傷を起こすことが多いです。
当院ではスポーツ障害にも力を入れており、多彩なスポーツ障害を治療しております。
また、交通事故治療にも対応しており、様々なケースで対応が可能となっております。
公式LINEもございますので、何でも気軽にご相談ください。

