本日は親指の障害シリーズの最後に母指CM関節炎(CM関節症)のお話となります。
母指CM関節ってどこ?
画像の赤い位置が母指CM関節となります。
どんな時に痛いの?
蓋を開ける動作やつまみの動作で痛みを生じます。
近年ではスマートフォンの片手操作により痛みを訴えられることがかなり多くなりました。
CM関節症の検査
CM関節を指で押さえた時に痛みがあるか、下図の母指内転伸展テストがあります。
原因
基本的にはオーバーユース(使いすぎ)が原因となります。
女性の場合はホルモンの影響も大きく、閉経が起こることで女性ホルモンの分泌量が減り関節が脆くなりやすくなります。
そのためCM関節症に限らず関節の障害は女性に多く起こりやすいです。
近年はスマートフォンが普及し、スマートフォンを片手で操作する時間が増えたためCM関節症が増加しています。
治療
主に整形外科や整骨院、整体院で治療を行うと思います。それぞれの治療法は以下となります。
整形外科
薬物療法(消炎鎮痛剤)
ステロイド注射
手術
整骨院
温熱や電気治療を使った保存療法。
患部マッサージ、ストレッチや運動療法、症状によってはテーピング固定など。
放置は要注意
安静のみで軽快する方もいるのですが、主に利き手で起こり、親指は生活するうえで多く使用するためなかなか良くならなことが多いです。
痛みや違和感のある状態で使用し続けることで下写真のような関節の変形も起こってきます。
関節の変形と同時に親指を動かす筋肉が短くなることで親指の形が変形(スワンネック変形)をきたします。
そこまで変形が進むと手術でしか改善ができないため、早期からの治療が必要となります。
最後に
普段は気づきにくいですが、親指に痛みや動きにくさがあると生活の質がぐっと下がります。
早期から治療を行うことで変形は予防できますし、日常的につきまとう痛みや不快感も軽減できます。
小さい関節ですが大きな影響を及ぼす関節なので大事にしてください。