人間と猿との大きな違いの一つに手の構造が挙げられます。
人は手の構造がより複雑であり、特に親指が大きく可動することでつまむ動作ができることにより緻密な作業が行えます。
親指が自由に動くことで細かい作業ができる代わりに複雑な構造になることで様々な障害が起こってしまいます。
親指の障害の種類
・腱鞘炎
・ド・ケルバン病
・CM関節症
・手根管症候群
・頚椎症
など
それぞれの特徴
腱鞘炎
親指に限った話ではないのですが、指を動かす筋肉が腱となり骨に付きます。その腱は腱鞘で覆われているのですが、腱と腱鞘がこすれたりすることで炎症が起きます。
腱が腫れたりすることで腱鞘を通る時に引っ掛かったりすることで指がばねのように曲げ伸ばしされるばね指という障害にもなります。
ド・ケルバン病
上の画像は親指を反らす動きをする筋肉なのですが、画像の青い部分で起こる腱鞘炎をド・ケルバン病といいます。
CM関節症
CM関節症は上画像の赤くなっている部分の関節が痛む障害です。
親指が大きく動かせるのはCM関節のおかげであり、自由な動きができるかわりに不安定で障害が出やすくなります。
主に親指を各方向に曲げた時や画像にあるように力を入れた時に痛みが出現します。
手根管症候群
こちらは手首の手のひら側を通る正中神経が横手根靱帯(屈筋支帯)と手首の骨(手根骨)のなすトンネルで圧迫される障害です。
画像にあるように緑色の部分にしびれ感や親指の付け根(母指球)の筋肉の萎縮がみられます。
頚椎症
こちらは首の背骨の障害で、神経の圧迫があった時に肩や腕、指などのしびれや痛みを引き起こします。
天井を見上げたりする動作で痛みやしびれが強くなりやすく、中年以降に起こりやすいとされていますが、デスクワークやスマホの普及により若年層にも多くみられます。
終わりに
以上がざっとですが親指に痛みをきたす障害となります。
冒頭でも述べたように親指の構造は自由な代わりに不安定です。
親指の痛みがあることで多くの場面で生活や仕事に支障をきたしかねません。
局所安静が上手にできればよいですが生活をするうえで親指の安静は難しいので、痛くなったときは専門家の治療を受けましょう。